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K's Report!

このコーナーは、開発メンバーの知人の知人である「青年K」がモバイル赤道儀のテストを依頼され、その活用方法を探るべく展開した(時に無謀な)試行錯誤を記録したものです。これはあくまで青年Kの個人的な意見・感想ですのでご了承下さい。

TOAST Pro編 その22

ジンバルシステム実践編Part-1
期待のジンバルフォークユニットがやってきた

ジンバルフォーク+ボーグ71FLの試写から、間が空くこと数ヶ月。遂に我が家へ、発売商品と同じセット内容のジンバルフォークユニットが届いた。

BENROとのコラボレーション

このユニットのジンバルアーム部分、元々はBENROのGH1Pという製品である。

数年前より、同種のものが数社から販売されていて、これより大型のモノは存在した。超望遠レンズの操作性向上の為の製品としてね。
ところが昨今のバードウォッチングブームの到来により、スポッティングスコープが超望遠レンズに代わり、コンパクトデジタルカメラと組み合わせたデジスコという撮影スタイルが台頭し始める。それに合わせるカタチで、小型化、軽量化が図られた製品がコレ、というわけね。

TOAST TECHNOLOGYでは、いち早くこの製品に着目し、2年以上前からすでにBENROとのコラボレーションを模索していたらしい。

ジンバルフォークはなかなかの作り

わくわくしながら、各部品構成を見てみる。

最重要のフォークアームは、2つの軸を持つ、粗動のみの構造。しかし工作精度が高いお陰で、ガタは無く、動きもスムース。軸固定用の大きな2つのノブを擁しているが、ノブは操作性も抜群で、効きも良い。なにより、この大きさでこの重量というのは嬉しい限り。

またここでは詳しく紹介しないけど、「2つの軸を持つ」ということが、星の撮影において、とっても重要な役割を果たすことになる。これは、後の実戦投入編で詳しく書こうと思う。

クイックリリースレバークランプ採用

フォークアームとTOAST Pro本体を接続するのが、クイックリリースレバークランプ。TOAST Proにおける最近の「より容易に、より確実に」の路線に従って、アルカスイス規格のものを採用してるね。
これにより、このフォークユニットに限らず、自由雲台をワンタッチで脱着することも可能。これ、結構重要。クランプ自体の厚さもごく薄いモノで、装着したままでの運搬も気にならない。

ジンバルフォークユニットの組立

今回は以前のように、ある程度組み上がった状態での試用とは異なり、通常販売状態での到着なので、自力で本体に装着しなければならない。
でもとっても簡単。
それに組み上げに必要な工具も同梱されているので、とても親切。

で、組立方法を示した動画(買った人は、HPから見られるみたいね)に沿って組み上げていく。

詳しくは動画を参照してもらうとして、ここでは簡単に。

既存の大型円形ステージ(Dovetail Stage)とステージ受け(Dovetail Saddle)を外すところが大きな特徴。直に極軸へと、専用のパーツを介し接続する。

この接続パーツにはダボねじが突き出すようになっていて、中央1点ねじ止めの弱点(クランプユニットの不用意な回転)を未然に防ぐようになっている。この細かな配慮も性能の一部と呼べるんじゃなかろうか。

テスト撮影スタイルを考える

ここまでで、準備はできた。

以前のBORG71FLのときのように、快適な撮影は実現するだろうか?決定版!と果たして言えるだろうか?

便利なジンバルシステムであろうとは思うが、万能ではないはず。どこが、今までの自由雲台使用の場合と違うのか?便利なのか?今一歩なのか?
これからシミュレーション、そして実戦に投入していくけど、レンズ使用構成3パターンを前提に考えていきたい。

モバイル赤道儀使用において、その威力が最も発揮できるであろうレンズ構成。

  1. パンケーキレンズと呼ばれる、軽量で扱い易いレンズ。
  2. 短時間で星空を切り取り可能な大口径比広角レンズ。
  3. 回転機構の付いた、台座付き中望遠レンズ。

この3パターンで試写して、このジンバルシステムの全貌を解き明かしていきましょう!

Part-2に続きます!

※この記事は2012年7月に掲載されたものです。現行モデル「TP-2」のマイナーチェンジに伴い、ジンバルフォークユニットの販売は終了しました
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