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モバイル赤道儀 HOMETOAST Style 松本博久さん

TOAST Style

Vol.01松本博久さん

松本博久 HIROHISA MATSUMOTO
1961年生まれ 鳥取県倉吉市在住 歯科医師
高校時代に天文部に入部し、トライXや103aE等の白黒フィルムによる天体写真を始める。その後カラーフィルムの時代を経て、最近は冷却CCD、デジタルカメラ、デジタルビデオ等を使った様々なジャンルの天体写真を楽しんでいる。

積極的なフィールド遠征で天体写真を楽しむ

自宅観測所では、40cm~20cm反射とBJ-42Lを使った星雲星団の撮影やデジタルビデオによる惑星撮影。また移動撮影では、デジタルカメラによる星雲星団の直焦点撮影や星景写真の撮影を楽しんでいます。

移動用機材は、対象により31cmF5+MS-5赤道儀、ε180+NJP赤道儀、魚眼から300mmレンズ+マークX, P-2Z赤道儀等を使用しています。

今まで撮影に出かけるとなると、重い赤道儀や機材一式を車に積み込んでセッティングにも時間がかかっていましたが、TOASTで星空スナップを撮る場合、手軽に三脚に載せて撮影がスタートできますので、もっと気軽にフィールドに持ち出して使ってみたくなりました。

電源も単3電池4本内蔵で、とても手軽なのが使いやすいです。また、強度のしっかりした微動付三脚にTOASTをセットした場合、極軸合わせも容易に精度良くできますので、TOAST本来の性能を生かすことができます。

TOASTをカメラ三脚に載せ、魚眼から広角系のレンズを使って星景モードで地上の風景と共に撮影した星空スナップ。(極望なしでセット)

強みと弱みを理解して機材を使いこなす

ピリオディックモーション等の数値は、実際の撮影結果と必ずしも一致するものではなく、撮影結果には様々な要素がトータルで影響します。高性能で定評のあるMS-5赤道儀であっても、天頂付近では800mmクラスの直焦点でノータッチガイドができたとしても、180~200mmF2.8クラスのフロントヘビーな望遠レンズを使い、小型の自由雲台にセットして低空を狙った場合には、たわみや大気差の影響で、容易にガイドミスを引き起こします。

TOASTの場合、天文ガイドの記事により基本性能は優秀な結果が示されましたが、何分小型軽量をコンセプトに設計されたポタ赤ですので、ポタ赤の範疇を超えた使用をする場合には、それなりの配慮が必要です。

例えばEF300mmF2.8Lのヘビー級レンズを試しに搭載してみましたが、さすがに重量オーバーでした。またAi-s180mmF2.8EDやEF200mmF2.8Lクラスの望遠レンズを載せる場合、搭載方法によりガイド結果に差が出ます。

Ai-s180mmの様に三脚座のないレンズの場合では、フロントヘビーでバランスが崩れる為にたわみが出やすく、EF200mmの場合には、オプションの三脚座を介して雲台にセットすれば、バランスが安定してガイド結果は随分改善されます。また、東西方向のバランスの崩れに気を配ることも大変重要です。特に東から昇ってくる対象を狙う場合には、カメラの重心が大きく西に傾くケースが多く、ガイドが不安定になりますので、できればきちんとバランスを合わせるか、やや東側に重心がいくような状態で使うのが、安定ガイドの秘訣です。

バランスを取る為の方法として、前後方向のバランスについては、三脚座のついたレンズを使う。三脚座のない大型レンズの場合には、鏡筒ホルダーの様な物を代用として使う。東西方向にバランスが崩れる場合には、縦位置用のアイベルCD-1用RAプレートやスライドツインプレートの様な物を使ってバランスを合わせる、などの方法が良いと思います。

広角から135mm位までの通常のポタ赤の範疇のレンズであれば、バランスの崩れはそれ程気にすることなく快適に使うことができます。

TOAST使用例
TOASTの雲台取り付けステージにマンフロットジュニアギアーヘッド410とプレートを介して2台のデジタルカメラをセットし、2モザイク分を同時撮影する方法でモザイク合成撮影に挑戦中。

天体写真を楽しむファンの裾野が少しでも広がれば

最近の天文誌に掲載されている作品を見ると、高度な専門化が進んでおり、高価な機材と労力や時間をかけた作品が主流になっていて、これから天体写真を始めてみようという方や、以前、天体写真に慣れ親しんだ方々にとってハードルが高くなり過ぎている感があります。

私は高校生の頃に、マークX赤道儀を使って星野写真に入門し、その魅力を存分に楽しんだ経験があり、現在の活動につながっていますので、TOASTの様なコンセプトの手軽な機材を使って、天体写真を楽しむファンの裾野が少しでも広がればいいなと思います。

自由度の高いモバイル赤道儀

私は天体写真の他に、幅広く自然写真を撮影していますが、構図を決める際には、足場の悪い場所や傾斜地に三脚を立てたり、前景の取り方によってその都度細かくカメラ位置を動かして撮影しています。

これまでの赤道儀を使った撮影では、傾斜地等では設置が難しく、カメラ位置を動かす為には、毎回極軸を再調整しなければならず、大変面倒でした。最近はデジタルカメラの普及に伴い、高感度の短時間露出で撮影が可能となりましたので、魚眼から広角レンズの撮影では、極軸合わせの精度が不要となり、極軸望遠鏡なしの大まかなセッティングでも充分な撮影ができるようになりました。

TOASTによる作例

星景モードによる星空スナップの作例もこの様な方法で手軽に撮影したものです。まず星空と前景に合わせて三脚とカメラ位置を決め、TOASTを大まかに北極星の方向にセットして撮影を行いました。この方法によって構図の自由度が飛躍的に広がり、これまでの設置型の赤道儀の使い方からモバイル型の赤道儀の使い方に可能性が広がりました。

この使い方により、天文ファンのみならず、一般の風景写真をメインとしたユーザーの方々にも夜間の撮影対象が広がることになり、中判のフィルムカメラも搭載可能なTOASTは、幅広いユーザーの皆さんに活用できる赤道儀(星空撮影機)だと思います。

機動性を活かした楽しみ方を探る

また、大型機材を移動して使う天文マニアにとっても、直焦点によるアップの撮影はオートガイダーによる大型赤道儀に任せて、サブとして広域の撮影はTOASTで行えば、もっと手軽に楽しむ天体写真の幅が広がると思います。それから海外旅行などで手荷物が制限される場合にも、TOASTが活躍するのは言うまでもありません。

TOASTによる作例

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