TOASTやTOAST-Proを使用するようになって、広角系のレンズでの撮影が多くなってしまいました。ということで、ちょうど韓国製のマニュアルレンズが安価に入手できるようになり、いろいろ購入して楽しんでいます。
TOAST style
Vol.12 小山武彦さん(撮影用アクセサリーDIY編)
TOAST Styleでは、ユーザーそれぞれのTOAST活用スタイルをご紹介します
第12回目は、小山武彦さんの撮影用アクセサリーDIY編です
自由雲台を水平に取り付ける
ところで、TOAST-Proを使用して広角系の撮影をするときにちょっと困ることは、北側の中天を撮影するときの構図決定が普通の構成では難しいことです。また、長焦点レンズでの撮影では充分な振動対策と極軸を出来るだけ正確に合わせる工夫が必要です。
TOASTテクノロジーでもその辺を考慮して、オプションのアクセサリーや汎用製品での構成を提案してくれています。(K’sReport参照)
私も、代用案としてホームセンターで売っている製品や望遠鏡のアクセサリー等を利用してシステムを強化して使用しています。
まず広角系の撮影での構図決定をやりやすくするために、太いLアングルを2枚使用して自由雲台を水平に取り付ける工夫をしています。
これで、一応どの方向でも構図決定の自由度が高くなりました。
また、望遠鏡の三脚と微動付ガイドマウントを利用して望遠系の撮影時に正確に極軸を合わせ、振動に対してのシステム強化を行いました。
これで長い焦点距離での成功率が上がりました。
BORGを使った望遠撮影システム
望遠系のレンズは、カメラ専用のものは重く高価ですが、御存知BORGから高性能で割安な製品が販売されており、星屋さんも鳥屋さんや鉄道屋さんと同じく割安なシステムが構成できます。
私も101ED、77EDII、45EDIIと持っていますが、最近購入した71FLとレデューサ(7870)やフラットナー(7108)の組み合わせはTOAST-Proと機材的にバランスの良い組み合わせだと思います。
上海日食のときにタカハシの65mm屈折を眼視用に使用しましたが、今回は写真撮影なのでしっかりした望遠鏡用三脚と微動付ガイドマウントを使用し極軸を正確に合わせ、さらに微動付経緯台を使用しました。
この構成は、さすがに天頂付近の撮影は厳しいですが、中天までの構図決定や天体導入を非常に容易にしてくれます。
最近の高感度低ノイズのデジタル一眼レフの出現で、短時間露出でも淡い天体を撮影できるようになり、このような簡単な構成でもそれなりの写真が撮影できるようになりました。
この構成で撮影した作例を数例紹介します。
最初は、71FLとフラットナー(7108)の構成で夏の天の川の中の「バンビの頭」の部分です。これは、テスト的に撮影したファーストライトですが、短時間露出にもかかわらずバンビの頭をしっかり写し出しています。
次に、71FLとレデューサ(7870)の構成で、ぎょしゃ座のM37,M38付近の拡大と冬の天の川の中のM46,M47です。
このくらいの露出になると風の影響やもろもろの条件でガイドの成功率は低くなりますが、成功すればそれなりに綺麗な写真を撮影することが出来ます。紹介した経緯台を載せるシステムで対象の導入や構図の決定が楽になりました。
実は、この構成で一番効果があるのは「彗星の撮影」ではないかと思いました。
TOAST-Proは非常にフットワークの良いシステムで、極軸合わせも簡単で高精度な追尾性能を持っています。明け方や夕方の低空の彗星の場合、短い準備時間で撮影を開始できるメリットは非常に大きいと思います。
彗星の場合、光度的に明るい時期は太陽に近く、低空が開けた場所でないと撮影が出来ません。適切な撮影地を探して移動し、短時間に機材を設置して撮影できるTOASTシリーズはとても便利なシステムです。
この構成で2011年の年末に撮影したギャラッド彗星の写真を紹介します。
撮影場所は東京近郊の畑の中で、空の状態は良いとは言えない場所です。ただ、自宅から30分程度の移動で撮影が開始できる場所ですので、天候の状態が良いときにサッと撮影に出かけられるメリットがあります。
いつでも車のトランクに
私はTOASTシリーズを購入してからは、ここで紹介した三脚セットをいつも車のトランクに積んでおき、カメラ関係を載せてすぐに撮影に出かけられるようにしています。
もちろん広角撮影だけであれば、普通のカメラ三脚で充分です。
長焦点でDeepSkyを撮影しているあい間に、広い写野を生かして綺麗な星空を記録したり、フットワークの良さを生かして太陽近傍の明るい彗星を狙ったり、TOASTシリーズはなかなか良いパートナーだと思っています。


