Enjoy! Toast
※ これはあくまで青年Kの個人的な意見・感想ですのでご了承下さい。
K's Report 撮影編 その10「K's雑感 ここらでひとまず」
数ヶ月の間、モバイル赤道儀TOASTを試用して来たわけだけれども、ここらでひとまず「使用感」をまとめてみようと思う。
購入を考えておられる方、購入後「イマイチしっくりこないなぁ」なんて感じておられる方、検討・解決のご参考にして頂けたら幸いです。
【全体の取り回し】
モバイル赤道儀TOASTは思い切ったデザインを取り入れ、見た目で存在感を強くアピールしている機材である反面、今までに無い弊害をもたらしている。顕著なモノは構図決定に死角を与えているコト。原因としては、構造上、赤道儀の不動点とカメラ取り付け位置の距離が取れないという点。この距離感は、実は使い易さに大きく関係してくるトコロだ。使い易い機材というのはこの距離が比較的長め。モバイル赤道儀TOASTも、もちろんどのようなカメラ雲台を用いようと、あらゆる方向に向けることは出来る。しかしながらファインダーを覗くのが困難な場合があるよね。天頂付近なんか特にね。
回避する方法はいくつか考えられるけどPCは使いたくない。「モバイル」の意味をなるべく尊重したい。長めのアームやらフォークを使うのが現実的な線かな。
その為には積載能力のアップをお願いしたい。もう2〜3kg上乗せされれば、積載物の選択の幅が拡がると思う。
理想を言えば、円形ステージ上にぶっといアーム(左右シフト可能)。その両端にカメラっていうのが使いやすそうなんだけどね。200ミリ+300ミリなんてのがサクサク撮れたら言うこと無いね。是非とも積載力アップ、お願いしたいです!
1台のカメラということであればもうひとつ、マンフロットの2軸化改造微動雲台。まだ短い期間しか使ってないけど、かなりイイ線いってます。マイナーチェンジしたのかな?以前のモノよりガタ、アソビが減りました。ほとんど無い、と言っていいくらい。200ミリクラス以下なら決定版じゃなかろうか?もちろん死角はあるが、背が高いので緩和される。300ミリクラスでもやってみようと思ってます。
あと、とってもいいトコ!
モバイル赤道儀TOASTのコンパクトな外観はまさに「モバイル」にふさわしい。場所を取らない。今は三脚+傾斜ウェッジ+本体を組んだまんま、車に放り込んであります。組み立て時間はわずか1分!です。この撮影スタイルを覚えてしまうとちょっとヤバイ。
ただ乱暴に扱っているので、繊細な塗装にキズがすぐ付きます。質感を落とさないでもうちょっと丈夫なら…。
【極軸合わせ】
合わせること自体の操作性は悪くないと思う。また、ポーラファインダーが外付けという合わせ方も間違っていないと思う。ただ搭載する架台(三脚とTOAST本体の間に入いる雲台のところ)に方位・仰角の微動が無いとストレスが溜まるかも。
ポーラーファインダー単独の回転が出来なくて苦労するかと思ったけど、実際のところはステー自体を左右に振ることで、それはほとんど解決。まぁ単独回転が(本体落下の心配無しに)出来ることに越したコト無いからそれも要望事項かな。
あと、300ミリの追尾精度があるんだから、もう少し倍率が欲しいね、せめて6倍。ロスマンディーと同じレチクルを使っていて専用に開発している訳ではなさそうなので、難しいんだろうけど。
それから2030年対応パターンの投入も待たれます。有償でも構わないからできるだけ安く交換できるとありがたいね。バージョンアップ版みたいに。
【バックラッシュ】
以前にも書いたけど、カタカタ感は確かにある。
撮影前に放置時間を取れば、精度の面でも問題ない。300ミリ以上のレンズを用いる場合、構図の決定時にやや難があるかな?そのズレを見越してカメラ雲台のクランプを締めなければならない。まぁ慣れればイイ、というレベルだとは思うけど。ここもより一層の少量化が図られることを期待しておきます。
【追尾精度】
自身でピリオディックモーションは撮っていないけど、悪くないのではなかろうか?長焦点レンズをメインに、今まで撮ったコマ数の半分以上は成功しているからね。セッティング時間僅少、電源は単三型電池4本のケーブルレス、オートガイダー無し、撤収時間あっと言う間、撮影中はの〜んびりのリクライニング、という条件での半分ということだからかなり優秀と言えるね。本体の±5秒の精度=システム全体の精度、とはなかなかいかない。架台や雲台など組み合わせる他社パーツによってそのあたりは影響を及ぼすから。
その中でも気になる点として軸周りのバランス問題がある。おそらくではあるけど、西側荷重のとき追尾精度は落ちる傾向にある。まぁ一般の赤道儀も同じだけど、常にホイールを押す方向に荷重状態があるときに安定したウオームの回転が得られるのと同じことが言えるんだと思う。カメラを東に向けるとき(季節先取りね)、そういった状態になり易いのでちょっとイヤなんだけどね。
成功を増やすには東側荷重を心掛けるしか無いみたいだな。ここでもやはり積載能力のアップをお願いし、バランスを保てるような機構を載せたいね。
結論を言えば、一晩で得ようとするコマ数(コンポジット枚数)を考えると、モバイル赤道儀TOASTなる機材は、俺的には充分満足と言える。
1晩で5〜6対象を狙い、4〜5分露出を各10コマ連続撮影。最後にフラットを撮っても、サッと撤収。各対象の中の3〜4コマを使い画像処理に回す。5〜6対象あれば1ヶ月は充分に遊べる。それ以上になると、ウチのPCが追いつかないしね!
【モバイル赤道儀というコンセプト】
天体写真分野でのデジタル化の恩恵は多岐にわたる。
相反則不軌の克服→露出時間の短縮と、フィードバックの速さ→すぐ結果として現れる、この2点は特に大きなモノだろう。
とんがった写真を撮るなら、今でもやはり膨大な労力(長時間露出、緻密な画像処理など)は必要だと思う。しかし、それ以外の多くの場面においてどうだろう?天体写真をやるヒトが減ったとも聞く。もしかしたら「モバイル」というスタイル、発展の余地、大アリなのかな?
